265:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/01/14(土) 22:06:30.61 ID:TikXGamK0
「みこと、来てくれてありがとう」
五〇センチと離れずに二人の女が正対すると、背丈にして一〇センチ以上高い美琴が少し
見下ろすかたちになる。
去来した万感が胸に詰まったのだろうか。
頭を悩ませ用意してきた数多の祝福の言葉は、うまくかたちになってくれそうになかった。
だから、せめて一言だけ、絞り出す。
「結婚、おめでとう、インデックス」
こぼすように囁いてから美琴は、遅ればせながら悟った。
千言を尽くす必要などなかった。
自分たちの間にこれ以上の言葉など要るはずがなかった。
なぜなら美琴とインデックスは、かつて同じ男を愛したのだから。
その事実によって、心の底深く深くで繋がっているのだから。
気が付いた時には、いつかの勝者はいつかの敗者の細い身体を抱き締めて、泣いていた。
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