352:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/02/19(日) 20:26:32.02 ID:ywdKXKa+0
インデックスは頬を赤らめて抗議しようとしたが、髪を梳かれているため振り返ることさえできない。
愛する人に似ている。
そう言われて悪い気などするはずもないが、なぜこのタイミングで。
「だってイギリスに帰ってきたばかりの頃のあなたは、神様への信仰こそ大事にしていましたけど、俗世間とのしがらみにはそれほど興味がなさそうでしたよ?」
それは、当然といえば当然のことだった。
学園都市で上条の庇護下にあった当時のインデックスは、陰謀や闘争に巻き込まれることこそあっても、権力との付き合い方や礼儀作法などとは無縁の世界にいたのだから。
しかしそれを口にすると言い訳がましく聞こえてしまう気がして、結局インデックスは力なく項垂れることしかできなかった。
「ふふ、耳まで真っ赤。ステイルさんの髪の毛の色そっくりですね。可愛いです、インデックス」
「ヴィ〜リ〜ア〜ン!」
「はい、できました。それじゃあ時間も迫ってきたので、行きましょう」
「うう……」
憤慨を軽くいなされ、仕方なく鏡台から離れる。
婚姻という二文字が肩に圧し掛かってきたかのように、一歩が途轍もなく重いものに感じられた。
苦笑するヴィリアンに手を引かれ、先導されて部屋の外に出る。
「……え?」
そこに、意外な顔があった。
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