387:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/02/26(日) 22:41:09.29 ID:GFjxftzi0
何者かの掌が、無粋極まりないタイミングで男女の面の間に差し挟まれたのである。
いや、何物かなどとお茶を濁す必要もない。
下手人の正体は誰が見ても一目瞭然だった。
花嫁本人の掌である。
「貴方はご存じないのでしょうが、インデックスは私のことを、上条詩菜と並んで母親と慕ってくれているのです」
絶対零度すら生温い、吹雪をも凍てつかせる低く、重く、そして怨念はなただしく満ち満ちた声。
「ならばあなたがこの子を娶る前に、是が非でも為さなければいけない大事なステップがあるのはおわかりでしょう」
声は、ステイルのすぐ目の前からだった。
おそるおそる花婿は、口づけに備えて閉じていた瞼を開く。
愛しい女性のかんばせがそこにある。
眉、唇、鼻、耳、どれをとってもインデックスその人に間違いない。
「言いなさい、ステイル=マグヌス。『お義母さん、お嬢さんを僕にください』。無様に跪いて、その身で出せる限り甲高く、哀れな声色で懇願なさい、この甲斐性なし」
ただ一つ、その瞳の輝きだけを除けば。
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