過去ログ - とある神父と禁書目録
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48:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:19:03.98 ID:l5SKq28Z0


「知っています。人はいつか必ず死ぬ。死ぬべき理由などなくとも、死ねない理由が
 あっても。人は大層な志の有無などに関係なく、ただ力の前に死にます」


世界のどこかで戦争が起こったとする。
否、仮定するまでもない。
歴史のどこを切り取っても、地球は必ずその皮膚のどこかに戦という膿を抱えている。
そして、罪もない民草が犠牲になる。
彼らに死ななければならない理由などない。
心ある者がいかに理不尽を声高に叫んだところで――――人は死ぬ。

結婚を控えた恋人と、必ず戦地から帰ると約束した兵士がいたとする。
すると彼は死ぬ。
彼には絶対に、何があっても譲れない理由があったはずなのに、死ぬ。
“死んでたまるか”などという信念一つで不死身の超人になれるのならば苦労しない。
現実には超人など誕生せず――――人は死ぬ。


「……それじゃあ駄目だな。『禁書目録』に付け足すことをお薦めするよ」


しかし男は、現実に生きていた。


「いいか、よーく覚えておけよ。『まだ生きてる』ってことは」


手の内を使い果たして、なけなしの魔力も枯渇して。
それでも瞳の奥に、消えない焔を宿して。




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