過去ログ - とある神父と禁書目録
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56:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:29:43.37 ID:l5SKq28Z0


女が現実の認識を拒むように首を横に振る。
たったそれだけの仕草ですら神秘的な蠱惑に満ちている。
だがその表情はいかにも人間らしく、忙しなく左右していた。


「……いえ、無駄です。いまこの瞬間、ロンドン以外の地表に存立するあらゆる魔術と
 超能力は私の掌握下にあります。よって、そんな」


女神にも焦燥は存在するのだな。
そう、ステイルは思った。




「――――地球全体を利用した球形魔法陣など、不発ですッ!!」




地球。
それがフィアンマが対『神の右席』戦に備えて用意した、最大最強の『陣地』だった。
直径にして約一二七〇〇キロメートルの円陣。
単純計算で、ロンドンの二五四倍の規模を誇る超巨大魔法陣。
それがさらに球面という三次元のキャンバスで複雑に絡み合って構築されれば、効力の
倍率たるや天文学的な値に及ぶであろう。


『その声は「自動書記」か? 悪いがお気遣いは無用だ。俺様の陣は頂点同士をテレズマ
 ――正確には龍脈で結んでいる。一千万のパワーソースは、「地下」を通じてステイル
 =マグヌスの元に流れ込んでいる真っ最中だ』

「と、言うことだ。僕のお友だちは、まだ地面の下に残っていたらしいよ」


七月十五日に『腕』の一撃からフィアンマの命を救ったのも、先刻ステイルの生命を
紙一重のところで繋ぎとめたのも、すべては大地の御加護である。




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