380:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/12(木) 22:17:44.36 ID:Z92gKdK4o
【Side:暁美ほむら】
ギリギリのところで身体は動いた。
腕を掠めて彼方に消えていく矢は黒く。
その絶望を呪いを、象徴しているかの如く。
ニ撃三撃と続けざまに撃ち込まれる。
全く思うように動かない身体を引きずり、僅かに残された砂で時を止め、かろうじて致命傷は負わないけれど。
いずれそうなるのは目に見えていた。
何をすることも私の心を砕いてしまいそうだった。
まどかを守ってまどかの影を壊すか。
まどかの影を壊せずにまどかを失うか。
選ぶべき道はただ一つのはずなのに。
私の心は囚われて動けない。
影はからからと笑っていた。
誰も救えなかったと笑っていた。
魔女になってまで全てを救おうとした彼女は、自分自身をどうしようもないほど貶めていた。
どうしようもない役立たずだと、世界の何よりも自分自身を呪っていた。
そんな姿がとても痛々しくて。
そしてようやく、私は道を選び取る。
「必ず、助けるから」
銃口を向ける手は震えない。
砕かれた影はワルプルギスの夜に回帰し、また新しい影となって戻ってくる。
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