67:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/31(土) 00:09:42.97 ID:eN5beZ+ao
二人はいつものように接してくれる。
それだけが、どうしようもなくありがたかった。
少しいつもよりおどけて見えるのは、きっと気を使ってくれているのだろう。
でも。
保健室の前に着いた瞬間、それまでとは比にならない感覚に襲われて。
吐き気が、
「うぇ、うっ…………ああう、えっぷ」
「わっ、ちょ、まどか!?」
「まどかさん、手を離して、窒息してしまいます!」
込み上げて、堪え切れなかった。
辛うじて仁美ちゃんの持ってきたバケツにぶちまける程度で済んだけれど。
吐き気はなくならず、苦しみも消えてくれず。
完全に出尽くしてしまった胃の内容物の代わりに、今度は言葉をぶちまけた。
「わたし、わたし、おぼえてないんだ」
「何かがあったのに、誰かがそこにいたのに、全然思い出せないんだ」
「ただずっと申し訳ないって、ごめんなさいって、ずっと」
「でも、なにも、わたし、おぼえて、わたし」
「うっ、う、ああああああああああああああああ、ああああああああああああああああ」
もう何も考えられない。
ただ子供のように声を上げて。
途中からさやかちゃんがまた胸を貸してくれたみたいだけど、わたしは何も気付かずに泣き続けた。
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