過去ログ - とある主人公たちのハーレムルート
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12:骸の蝉(ずれた)[saga]
2012/01/02(月) 23:50:57.98 ID:Ct7sawydo
「浜面が、私のことを、好き――?」
そんなハズはない。だって、アイツは――
「私のことを好きでいてくれている。それは確信している。でもだからってむぎのを想ってないわけじゃないよ」
いやじゃないの、アンタは――
「言ったよね? むぎのだったらいいって。むぎのは本気だから許せるって」
なんのメリットがあるの? 私が傍にいたらアイツ奪っちゃうかもしれないんだよ?
「それはさせないよ、むぎの。私いっぱいいっぱい好きだって言ってずっとはまづらに見ていてもらうんだから」
答えになってないよ。なんでいやがらないの、アンタ――
「後悔するから。私も、そしてはまづらも一生後悔するから。だからむぎのを離してなんかやらない。一生はまづらのものになるって言わないと放してあげない」
おかしいよ、滝壺――
「そうだね。おかしいよね」
うん、おかしい――
「でも、私たちの居た場所っておかしな場所だったよね? 常識なんか何処にも転がっていない枯れた世界だったよね?」
うん、そうだね――
「そんな世界にいた私たちが普通の常識で幸せになる必要はなんだよ、きっと。おかしなままで幸せになってもいいんだよ」
でも、それは――
「応援するよ? むぎののこと、全力で応援してあげる。だからきっと大丈夫」
――世界の全てを敵に回してでも?
「世界の全てじゃないよ。浜面も私も居る。きっと絹旗だって応援してくれるよ。フレンダだって絶対に応援してくれているはずだよ」
アイテムが? でもアイテムを壊したのは私だよ?
「それでも、だよ。フレンダだってむぎのを恨んでないよ絶対」
甘く甘く重ねられる砂糖菓子のような言葉に麦野の心は揺れ動く。
もしそれが本当だとしたら、浜面仕上が麦野沈利を必要としてくれているのならばどれほどに幸せなことだろうか。
思っただけで背筋が震える。
そして、確信する。
ここで甘えてしまって、裏切られたら、私は私でいられなくなる。
引き返すのならば、今、此処。
全てを満たしてくれる提案だからこそ麦野は怖い。心の奥底まで甘えてしまうものができたときに、もしそれを奪われたのならば本当に本当の意味で伽藍堂になってしまう。
結局のところ、麦野沈利という女にある最大の悪癖が彼女を縛っている。
麦野沈利は独りだった。
独りに慣れすぎていた。
アイテムの中でバカをやっているのは楽しかったしファミレスでくだらない会議をするのも好きだった。
でも、自分はリーダーで彼女たちは部下で、システムが入れ替わればみんないなくなってしまうと割り切っていた。
彼女にとっては友達も恋人もいなかった。
だからこそ、これほど暖かな誘惑を知ってしまったら。
その居心地の良さを知ってしまったら。
絶対に戻れなくなる。
独りに戻ったときに壊れてしまう。
――怖い。
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