過去ログ - 知久「今日はほむほむの特売日だ」
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690:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/01/29(日) 13:28:43.37 ID:JnDIout0o
 まどか「ほむほむはね、縄文時代からずっと人間と共にいるんだ。だから…ほら、人間をまるで恐れない」
 ほむほむ「ホムー!ホムー!」コンニチハ
 さやか「どう思う?転校生」
 ほむら「…別に何も。可愛らしい動物としか思えないけれど」
 さやか「確かに。初めてこれを見た人は皆そう言うんだよね」

法律ではペットの事を器物として認識しているらしいが、さやかの『これ』という言葉の響きはそれよりももっと冷たかった。
この子は命の尊厳を何だと思っているのだろうか。私が言えた台詞ではないが、さすがに良心が痛む。

 ほむら「この子を虐待することが、この街の歴史なのね。なんて野蛮な街なのかしら。
     私、ここに転校してきた事を残念に思うわ」

英語のテストに出そうな単純な日本語で喋る。

 さやか「そこまで言われちゃうか…まあ、仕方ないけどさ」
 ほむほむ「ホム?ホムホム?」ドウカナサレマシタカ
 まどか「別になんでもないよ。心配してくれてありがとう。
     もうあっちに行っても大丈夫だよ」
 ほむほむ「ホムホム!」ワカリマシタ

一礼した後、受付まで小走りで帰ってゆく。この場面だけ切り抜いたなら、さぞかし和やかに見えただろう。
私は悲しい。あの子は、自分の仲間が人間に無残に殺されていると知ってどう思うのだろうか。

 さやか「で、ほむほむと人間は明治維新まで良い関係だった訳だけどさ…」
 ほむら「一方的な関係を良いと言う人間には初めて会ったわ」
 まどか「あ、あんまり怖い顔で睨まないで…」
 ほむら「あら、ほ虐とは関わりたくないと言う人間にほ虐の歴史を話すのも立派なことだと思うわ、私は」

もう目の前にいる女学生は私の知っているまどかじゃない。この子は、動物を虐めて楽しむ情緒障害の子だ。
そう心に思ってからは、世界の為ならまどかなど切り捨てる人格が生まれ、自分を動かしているように思えた。

 さやか「お願い…だから」
 まどか「誤解しないで…まだ、先があるの」
 ほむら「先…?」

鼻をふんと鳴らす。びくりと桃色の髪の少女が怯える。もう、何も気にかけない。

 さやか「最後まで聞いてくれれば、もうあたしたち、転校…暁美さんには話しかけない。だから、聞いてほしいんだ」
 まどか「ごめんね、ほむらちゃん…暁美さん。ごめんね」

平謝りする二人を苛つきながら見る。なんなんだ、この、私の友人の皮を被った外道は。
さやかの事はあまり好きではなかったが、こいつよりは数倍いい子であったと思う。もう会えない、彼女には。

 ほむら「いいわ。最後まで聞く。だから、早く切り上げて」
 さやか「う、うん。明治になってから、ほら、日本は鹿鳴館を建てるなんかして、外国に追いつこうとしたじゃん」
 ほむら「ええ」
 まどか「それで、関東にあるミタキハラで、ほ虐なんて文化があることをある外人さんが偶然知っちゃったんだ」

健気にも、恐怖を隠して話す。だからどうした、と共感を捨てる。

 さやか「それからミタキハラではほ虐禁止令が回ったんだ。当然だよね、ある意味さ」
 まどか「それでも、隠れキリシタンみたいにしてほ虐は細々と続いていたの。
     元々ほ虐禁止令だって些細なことから始まったし、ほ虐を続けるのは簡単だったんだって」
 さやか「でも、表には出なかった。それで、戦争が終わって、今に至るんだ」
 ほむら「…随分とあっさりとした歴史ね」
 さやか「重要な事はなにも言っていないからね」

まだ続くのか。もう帰りたいと内に叫ぶ。


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