3: ◆SSssRnAEXA[sage]
2012/01/06(金) 07:46:35.61 ID:041QJHWIO
俺は何故ここにいるのだろうか?
この謎が解ける事はないだろう
では俺は誰なのだろうか?
これも解る事はない
なにせ俺は記憶を持っていない
気がついたら女の子になっていた
知識として残っているのは
日本語
『女の子』としての人間関係
俺が俺として存在していたという事だけ
別段苦労するわけではないが胸の奥でムカムカするものがある
俺の正体は何なのか
どうすれば元に戻れるのか
この女の子はどうなったのか
今はその謎が解ける事を祈り日常を過ごす事しかできない
「美夏、ボーッとしちゃってどうしたの?」
覗き込むように女がこちらを見てくる
彼女は『私』の母親である松島 佳菜子である
年齢不明のよくわからない母親である
「……なんでもないよ」
俺は母親に向かって軽く微笑んだ
あれから一週間が経った今
『私』としての接し方に困る事はない
「そう?最近ボーッとしてることが多いけど……はっ⁉もしや!」
いきなり叫んだかと思うと顔を赤らめる
忙しい人だな
「こ、恋人とかできたの?」
「……ちがうよ」
なぜそうなった
この人の突拍子な発言には慣れれない
悪い人ではな無いのだがテンションが一々高くて付いて行く事ができない
「そう?恋人ができたら絶対に教えてね!」
「はいはい、もう時間だから学校行って来るよ?」
そう行って俺は横に置いてあった鞄を手に取り母親を見た
「まだ時間あるよ?もう行っちゃうのオカーサン淋しいなー……」
母親は淋しそうな顔をし、人差し指で『私』の胸を突ついた
「今日は日直だから早く行かないといけないの」
「ぶーっ……早く帰ってきてね?」
新婚か
そう突っ込みたくなる腕を抑えて、笑顔をつくる
「はいはい、じゃあ行って来るね」
「いってらっしゃ〜い!」
母親の声を背に俺は家を後にし学校へと向かった
173Res/87.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。