6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/01/07(土) 14:58:16.65 ID:g2OIaAUDO
「……わらわを軽蔑したか」
再び、喉の奥から絞り出すようにして話す主君。
その言葉は二の句を継げないでいる側近、その意識を引き戻し白熱させた。
「何を仰るのですか! そのようなことあるはずがないでしょう!?」
「我らの宿願、我らの悲願。すべてを放り出して逃げ出そうとするわらわは、その場で裏切り者と切り捨てられたとて、文句は言えぬ」
「なっ……!」
側近の顔が驚愕に染まる。
白熱した思考は言葉すら忘れさせ、陸に引きずり出された魚のように、ただただ口をぱくぱくと喘がせるだけ。
思い詰めた顔で力なく首を揺らす主君は、今にも自決してしまいそうなほどだ。
そして、今までの比ではない苦渋に満ちた様子で逡巡して、辛酸を飲むかのように言い放つ。
「異界から流れくる、ビックリマンチョコとやらに付いているシールを全種類集めるという誓い……!
神々との死闘のさなかに結び、そなたらと共に走ったあの懐かしき日々を裏切るのならば、殺されて当然じゃとわかっておる!
しかし……っ、しかし……っ!」
「陛下……」
「アレが流れくる周期は三百年!
それではっ、それでは間に合わんのじゃっ!!」
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