10: ◆G/oQfYP4bzP0[saga]
2012/01/09(月) 19:03:27.72 ID:Ok5E0xZio
つまり、それは、脳のリミッターが外れる事で平時使えない能力を爆発させるという事にほかならない。
何も考えず、ただなんとなく右手を炎に向けた。
瞬間、炎が佐天の前で消滅した。
「……は?」
その場にいた全員が同じリアクションをする。
そして、しばらくの沈黙のあと、
「……うっぐ….あ、熱い!……あれまって?いや、意外と……身体ポカポカしていいかも……やっぱ無理だ熱い熱い熱いというか痛い!熱すぎてなんか痛くて――」
佐天は急に喚き出した。
――ヤバイ……放出しないと!
右手を硬く握りしめ、スキルアウト連中に向ける。
――私の身体から……出ていけ、なんか熱い物ぉおおお!
凄まじい爆発音に驚き目を閉じる。
十秒ほど経つと、佐天は恐る恐る目をあけ、飛び込んできた映像に言葉を失いそうになる。
「……わ、私がやったの?」
誰に聞くわけでもないが、口にする。
呆然としていると、頭に鋭い痛みが走る。
荒廃した土地で能力を自在に操り、数々の敵を蹴散らす夢。
夢の中の自分は大柄で包帯を巻いてマントを纏った男であった。
『第四、波動ォ……』
「……唐突に『理解』した」
能力はフラグメントと呼ばれるもの!
そして備わった能力は『第四波動』フラグメントの中でも強力なミッシングリンク級の能力だ!
「アークライトの兄さんを探さなきゃ」
佐天はその場を後にする。
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