過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」
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816:甘い独占欲[saga]
2012/03/12(月) 00:09:45.85 ID:bxLSUsdQ0


誰も踏み入った事の無い真っ白な雪を踏み荒らすように、その身を初めて貫かれる痛みに食蜂は自然と涙を流した。
零れそうな大きな瞳から、宝石のようにキラキラと灯りを浴びて輝く雫が幾つも零れ落ちていく。
白くしなやかな指先が、大粒の雫をそっと拭い取る。


『大丈夫か?操祈』


誰に対する時にも常に警戒心を怠らない紅い瞳が申し訳無さげに微かに揺れている。
幼子を泣き止ませてやるように、食蜂の背を軽く叩きながら空いている方の腕が柔らかく甘い少女の身体を抱き寄せた。
心配をかけまいと何とかして答えようとするが、食蜂の口からは未だに嗚咽の断片が洩れるばかりだ。
やがて、一方通行は泣き止まぬ食蜂の頭を引き寄せそっと耳元に顔を近付けた。


『ゴメンな……オマエを泣かさないって決めてたのによ、オマエが可愛い過ぎて、気づいたら歯止めが利かなくなっちまってた』

『ん…』


もう一度ゴメンと呟くと食蜂の額に口付ける。
気付けば流れ続けていたはずの泪は止まっていた。
まるで王子様の口付けを合図に栓が閉められたかのように。


『大丈夫よぉ。わ、私も貴方に抱いてもらって嬉しかったから………だからもっと…もっと、ね?







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