過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」
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結標と一方通行
[saga]
2012/01/14(土) 00:05:58.21 ID:4E3ekzFM0
一方通行、この男と会うのは半年振りだ。
大学の友達との飲み会の帰りに偶然街中で会って、一緒に飲んで以来。
その時の事が一瞬にして脳裏に甦り、自然と顔が熱くなった。
「どうしました結標さん?顔が赤いですよ?」
「ちぃっと暖房効きすぎかにゃー?」
「あ、何でもないわよ、何でも」
この二人に気付かれては堪らない。
慌ててヘタクソな誤魔化しを入れて土御門と海原が隣り合っている時点で半ば必然的に隣に腰掛けると、ジン・フィズを注文する。
勝手に始めていることに関して特に何も思うところは無く、コートをハンガーに掛けると手付かずのサラダに箸を伸ばす。
元々血なまぐさく、利害関係でスタートしたグループの集まりは大抵グダグダと始まる。
大学の仲良しサークルではないのだ。全員揃ったところで挨拶をしたり乾杯をする等ということは無い。
それでも利害関係を離れれば交友関係の広いらしい土御門と海原は律儀に私が到着するのを待っていた様子だ。
ただ一人、隣に座る白髪頭は興味なさ気に一度だけ私を横目で見たきり黙々と肴を突いて酒を飲み続ける。
「鰆の塩焼きとウォッカなんて合うの?」
「オマエには関係ねェだろ」
半年振りで相変わらずのコミュ障っぷりに、妙な安心感を覚える。
コイツが『やァ、結標さン』なんてにこやかに挨拶されたら座標移動で飛ばさない自信が無い。
それでも舌打ちされるか無視されるかと思っていただけに、これで少しは丸くなったのよね。
「海原、今日はそっちなのね」
「あははは、ショチトルに『仕事でもないのに、いい加減やめろ』と言われてしまいまして」
どこか野性味のある端整な顔立ちとは裏腹の物腰の柔らかい口調。
胡散臭くて、厭味ったらしいと思っていたこの声に懐かしすら覚えてしまうのがとりあえずこの街が平和だという証拠に思える。
「意外に尻に敷かれてるわね。甘えん坊な子だと思ってたけど」
「基本的にはしっかり者ですよ。甘えてくるのは二人の時だけです」
「もしかして今惚気られた?」
「あ、いえいえ、そういうつもりは」
「照れなくてもいいにゃー。義妹に甘えられるのも、尻に敷かれるのも義兄の特権なんだにゃー」
「そっちは相変わらずね」
「あわきんは随分と美人になったにゃー。何よりサラシを…」
「言うな!」
「ぐほぉぉ!」
「土御門さん!?」
「熱い!胃が焼けるようだぜい!」
若気の至りを穿り返そうとする無粋な輩には座標移動だ。
隣の男がチビチビやっていたストレートのウォッカを座標移動させてやると悶え始める金髪アロハ。
グラスの中身がごっそり消えてる事にキレるかと思っていた白髪頭は瓶から新たに注ぎなおして飲み始める。
本当に丸くなったのね、不気味なくらい。
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