過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」
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97:結標と一方通行[saga]
2012/01/14(土) 00:13:34.42 ID:4E3ekzFM0


確かあの日は今みたいなモラトリアム染みたことではなくてもっと即物的なことで愚痴を吐いていた。
密かに想っていた相手が私にはいた。
好きで好きで仕方が無い、という熱烈なものではなくて、「いいな〜」という程度のもの。愛とか恋ではなく『好意』とでも呼ぼうか。
それでも、自分にしては珍しいくらいその気持ちは打算の無いもので、その感情に身を委ねている時は温かな日向でまどろむような心地良さがあった。
今だから、こうして時間を置いてみれば私は相手をどうこうしたいという事よりも、自分の中に存在していた普通の女の子の気持ちそのものを愛しく感じていたのかもしれない。
それでも好意は好意である。私は失恋したのだ。
それも告白をして玉砕するのではない、相手は私の想いに欠片たりとも気付かず既に私ではない想い人を作って。
彼の詳しい事情を知らなくともそれは納得の行く結果だった。
ずっと側に寄り添ってずっと守ってきた少女とようやく想いが通じ合ったのだ。
それはオーソドックスなハッピーエンドの形に思えた ――― と自分を納得させる為にアルコールの力を借りて、散々隣りの男に愚痴っていた。
ゴミ捨て場にでも放置されると思っていたのに、意外な面倒見の良さを見せて、私の側についていてくれた。


「帰りたくないって言う私の側にいてくれたわよね」


失恋のせいで消沈してたのもある。
アルコールのせいで判断力が鈍ってたのもある。
人肌恋しいと思っていたのは否定出来ない。
けれど…


「いくら酔ってても嫌いな相手とはしないから。特に初めてとか……」


少しだけ距離を詰める。





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