過去ログ - 佐天「透明にする能力?」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/01/11(水) 01:13:14.47 ID:LFooJzIg0
私はとても困っていた。
何に困っていたかと言うと初めて訪れた街で迷子になっていて、そして私には時間が残されていないことだった。
今日私は柵川中学校というところに転校することになったんだけど、朝起きてバスに乗るところまではよかった。
問題はそこから。乗ったバスは柵川中学校方向とは逆に向かうバスだったらしくて次のバス停で慌てて降りて今度こそ柵川中学校の方向に向かうバスに乗った。
次は降りるバス停を間違えて少し手前で降りてしまったらしい。
そしてそこで一番の失敗。はじめて来た街であとバス停二つくらいの距離なら歩いていこうとしたことだ。
土地勘もなく、この学園都市という外の都市とはかけ離れた空間の中で私は案の定迷子になってしまった。

「後どれくらいで学校始まるんだっけ」

中学に入学した時にお兄ちゃんから貰った時計で今の時間を確認する。
聞いていた始業時間まではまだ余裕があるものの、今日から転校と言うことで色々始業前までにやらなければならないことがあるから、もうタイムリミットは十分を切っていた。

「うぅ〜、もっと余裕をもって出てくるんだったぁ。こんな状況になるなんて思わなかったしな〜」

愚痴をつぶやいても何も問題は解決しないのだけどついついつぶやいてしまう。
絶体絶命の状況だ、転校初日から遅刻だなんて私のイメージがひどく下の方から始まってしまう。
転校するって決まってから、転校先では今までのようなイメージから抜け出そうと決心したんだ、憧れの由花子お姉さんみたいな凛としたイメージの女の子になると決めたんだ。
だからこそ私はここで躓くわけにはいかないのだ。

(そうだ、今は学校に行く学生が一番多い時間のはずなんだから誰かに道を聞くか、あわよくば同じ制服の子についていけばいいんじゃないそうすれば―――)

「ってこんな時に周りに誰もいないじゃない!」OH MY GOD!

誰もいないけど街中で素っ頓狂な声を上げてしまうほど私は焦っていた、OH MY GOD!なんて口にするのはいつ以来だろう、パパの口癖がつい出てきてしまったようだ。
それほど焦って取り乱していたからだろうか、後ろの人の気配に全く気づかなかったのは。

「えっと〜、君こんなところでなにしてるん?ここらへんは人通りも少ないし日が出てても女の子が独りで歩くのはあんま感心せんで?」

「はっ!」



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