7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage saga]
2012/01/11(水) 01:15:59.07 ID:LFooJzIg0
それだけ言うと先生は教室から出て行き、東方さんは自分の席へと歩いていってよどみない動作で座り、次の授業の準備を始めた。
ずいぶん真面目な女の子だなぁ、って言うのがその時の私の印象かな・・・・・・
ぼけっと私が見ている間にもほかの皆は行動を起こしている。
もちろん授業の準備と言うわけではなくて、東方さんに話かけにいったということだ。
いや、気持ちは分かるけど皆さんがっつきすぎじゃないですか?そんな私の本音は『出遅れちゃったな〜。あ〜あ、私も東方さんと話したかったな〜』ていう所です。
「佐天さん、佐天さん」
「ん、なんだい初春?初春も東方さんのところに行かないんだ?」
「あはは、みんながあんなに行ってますから。私には入れませんよ。それで佐天さん、その右手どうしたんですか?包帯なんて巻いて、怪我でも―――」
「ああ、別にたいしたことはないよ。どっかで引っ掻いたのかな、絆創膏じゃ長さ足りなかったから包帯巻いてるだけだし。それより今日のお昼さ、屋上で食べない?」
「え、屋上ですか?あそこは鍵がかかってるからはいれないんじゃ?」
「ふふふ、実は昨日たまたま屋上の鍵が外れてるのに気付いてね。今日は天気もいいし、まだそんなに暑くも無いから丁度いいかなって」
「い、いいんですかね、屋上は立ち入り禁止なのに」
「そんなこと言って初春も乗り気な顔してるよ」
指摘すると初春ははっと顔を隠したが私は初春のにやけた面を見逃さなかった。
「うひひ、初春って風紀委員なのにアンモラルなことが意外と好きだよね。いつもはキッチリしてる反動?」
「ん〜〜〜、佐天さんちょっといじわるですよその言い方」
「あはは、ごめんごめん。じゃあお昼にお弁当のから揚げ一つ初春にあげるからぁ」
「もう、佐天さんったら」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お昼休みのチャイムが鳴ると私と初春はこっそりと屋上に続く階段に向かった。
心なしか教室が騒がしかったようだけど今から屋上に行く私達には関係の無いことかな。
こっそりと向かったのは先生に見つかると何をしているか聞かれたり厄介なことになりかね無いからだ、屋上の鍵が開いてることに気付かれたらせっかくのお昼が台無しだし。
屋上まで難なくたどり着いた私達は最後の関門 (昨日の時点で先生が気付いて施錠しているという事態も起こらず)を突破し屋上へと足を踏み入れた。
「あぁ〜〜〜、風が吹いてて気持ちいいねぇ初春!」
「そうですねぇ、今だと日差しもそこまで強くありませんし丁度いいですね」
「それじゃあさっそくお弁当でも広げますか!」
意気揚々と持ってきていたレジャーシートを広げ(昨日のうちから準備万端だったのだ)その上に座り込む。
しかし―――
「あの佐天さん、二人だけじゃ風でシートがめくれちゃいますよ」
準備万端とはいかなかったようだ。
どうしよう、今から教室に何かとりに行くのもめんどくさいし教師に見つかるかもしれないし・・・・・・
せっかく気持ちよく昼食がとれるかと思いきや、予想外のところで出鼻をくじかれる形になってしまった。
しかしそんなとき上のほうから救いの手が、いや声が降りてきた。
51Res/65.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。