過去ログ - 式「誰だ、オマエ」 太子「聖徳太子です」
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(大分県)
[saga]
2012/02/15(水) 23:47:15.36 ID:UjsG9exW0
志貴「いわんこっちゃない。大丈夫か琥珀さん!」
待っているようにと頼まれたが言いつけを守っている場合ではない。壁の穴を抜けて中に入る。
目の前には怪しげな謎の空間が広がり、様々な場所に大小無数のコードが走っている。
そのコードの中に太子さんが頭から埋まっているらしい。懸命に足をバタつかせてもがいている。
それを無視してなにやら太子さんの周りを駆け回っている琥珀さん。琥珀さんが悲鳴を上げる要素が見つからない。
琥珀「やや、志貴さん。来てしまったのですか」
志貴「あの、琥珀さん。一体なにをやってるんですか?」
琥珀「ええっと、そうです!今まさにこの人を助けようとしてたんです!
べ、別に大事な薬品を隠したり重要なデータを別の場所に転送したりなんてしてません」
どうやら太子さんそっちのけで大事な物を隠していたらしい。よく見ると様々な機器や瓶、はては培養試験管らしきものまである。
この屋敷に点在する不思議空間の一つがここのようだ。
ドクロマークのついた怪しげなボタンなどがそこらじゅうにあるが、下手に触らないほうがいいだろう。
志貴「はあ、わかりました。俺が太子さんを引き抜きますから琥珀さんは下がっていてください」
琥珀「引き抜くのが先ですか。仕方ありません。私もお手伝いします。あまり周りの器具には触らないでくださいね。
何が起きるか分かりませんので。あとここで見たことは口外無用ですよ」
さらりと恐ろしいことが聞こえた気がするが、聞こえなかったことにしよう。
二人がかりで太子さんを引き抜きにかかる。しかし太子さんは何かに引っ掛かっているらしく、なかなか抜けない。
琥珀「よいしょっと。志貴さん、あとちょっとみたいです。一気にやっちゃいましょう」
志貴「それ、もう一息だ。がんばって太子さん」
太子「ぬふぅーもげる、もげちゃう!ん、なにこのふにふにしたもの」カチッ
琥珀「あ。だ、ダメです!そのスイッチは・・・」
勢いよく引っこ抜ける太子さん。同時にピッ、という何かのスイッチが入った音が聞こえた。
突如震えだす屋敷。響き渡る轟音。この部屋にある赤いランプが大きな音を出して回転している。
突然”えまーじんしー、地下帝国を破棄します。総員、速やかに退避せよ”とアナウンスが流れだす。
志貴「な、何だ?地震か?」
立っていられないほどの揺れと騒音の中、頭を抱えながら立っている割烹着の少女。
"ああ、地下帝国が、地下帝国がー"という言葉が聞こえてくる。
震えが停まる。皆が立ち上がる中、一人崩れ落ちるように座りこむ少女。あはは、と乾いた笑いを洩らしている。
志貴「琥珀さん、まさかまた何か・・・」
遠くからコ〜ハ〜ク〜と地の底から響くような声がする。まずい、鬼が来る。
式「何だ、この禍々しい気配は」
志貴「やばい、にげるぞ。こっちだ」
太子「ちょっままって、髪!それ髪、髪だからそれ。ハゲる、ハゲちゃうってイヤー!」
太子さんをひきつれて謎の空間から逃げ出し、近くの窓から脱出する。俺たちが外に逃げ出したのとほぼ同時に穴を視認する鬼。
鬼は紅い髪で灰になった琥珀さんを引きずり出してどこかへ行ってしまった。
さようなら琥珀さん。あなたのことは忘れません。
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