過去ログ - 一方通行「あァ?魔法少女だァ?」
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174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/02/22(水) 18:37:49.01 ID:nhAWqgx50
――土曜日の朝、カエル顔の医者の病院

冥土返し「どうすれば救える…?」

カエル顔の医者、冥土返し(ヘヴンキャンセラー)は、培養器の前で頭を抱えた。
どんな病気や怪我でも治せる彼は、二日前に運ばれてきた少女を救うため、あらゆる手を尽くしてきた。
その少女は今、特別に設えられた病室で、培養液で満たされた生命維持装置によって、肉体だけ腐ることなく生き続けている。
しかし、その少女の意識が戻る事はなかった。
そこに、職員が入ってきた。

職員「院長。左手に不自由のある患者を乗せた、見滝原からの救急車が到着しました。
   付き添いは一方通行に見滝原のミサカ19140号、患者の友人と、保護者の5名です」

冥土返し「……ああ。ご苦労様だね」

この少女は後でまた診るとして、上条恭介の診断に向かった。


――診察室

車いすに乗った恭介に、母が付き添っている。
さやかは待合室で待っていて、一方通行とミサカ19140号は既に別行動をとっている。

デスクの上には、恭介の左腕、脊髄、脳といった、運動に関係ある部位をCTスキャンした画像。

冥土返し「診断の結果が出ましたが…、この状態では手術が必要ですね。
     100分の1ミリのミスが後遺症を招く、難しい手術になるでしょう」

恭介母「治せるんですか?」

冥土返し「普通の器具に並の医者では、匙を投げたくもなる状態でしょうね?
     けど、僕なら絶対治しますよ」

飄々と自信満々に言う冥土返しの態度に、信頼を寄せていいものかと母は図りかねていた。
一方、当の恭介は、この医者なら可能性はあるかも…と、信頼を寄せ始めていた。

冥土返し「まあ、外部の患者は費用も馬鹿にならないですからね。
     ここで入院し、手術を受けるかどうかの決断は任せますよ?」

恭介母「……。恭介は、どうしたい?」

恭介「ううん………」

両親に金銭的な迷惑をかける事が気になって、迷う。
かといって、左手は動くようにしたい。ヴァイオリニストになる夢を叶えるには、他に手がない。
そう逡巡していると、彼の脳裏には白髪の男の一言が過る。

『そこのクソガキが命を投げ打ってでも、オマエの怪我を治そうとするだろォな』

恭介(あの男がそう言った直後、さやかは驚いたような顔をした…。よく分からないけど、僕が左手を治さないと、さやかが危ない…?)

そう思い至って、彼は決心した。
どうせ既に、親にかけてきた負担も馬鹿にならない額になる。
これで最後にして、将来沢山恩返しをしよう。そう思った。

恭介「先生。手術…、受けてみたいと思います」


――病室

さやか「受けるんだね、手術」

恭介「ああ…。あとは父さん待ちだけど」

手術代は父親持ちなので、現在病室の片隅で、母が連絡を入れていた。

さやか「その先生、信頼できそうなの?」

恭介「実績があるし、前の担当医も『信頼に値する腕がある』と絶賛してたからね。」

さやか「そっか……。」

恭介「あのさ…。白髪の人が言ってた、『命を投げ打ってでも治そうとする』って、どういうことだと思う?」

さやか「えっ?い、いやぁ〜何のことやら、さやかちゃんにもさっぱり分かりませんね〜」

あからさまに何か隠してるのがバレバレだけれど、恭介は「そっか」とだけ返した。
そこへ、電話を終えた母が来る。

恭介母「伝えたわよ。払ってくれるって」


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