17: ◆bR/Hsa44HA
2012/01/14(土) 23:57:20.07 ID:karAz71a0
「…!」
女米が息をのんだ。
目の前一面に広がる田畑。
この時期は寒いせいか何も見かけないのだが…。
米の惨死した姿がところどころに見受けられた。
それだけではない…。
セシウムが空を埋め尽くしていたのだ。
迫る天井とそれの犠牲になった仲間と鉢合わせしたかのようなとてつもない絶望があった。
「くっ…もうここまで来ていたか!」
ジャバニカ米が空をにらみつけて言う。
「いいか、あの土の穴に要塞へ続く道がある、そこまで全力で走るんだ」
「だが…アンタは…」
ジャバニカ米は不敵に笑って見せた。
「俺は玄米さんと行くさ…俺が出来るだけあのクソッたれどもを引き付けておく、そのうちにとっとと行ってくれ」
「俺の仲間もやられちまったようだしな、奴らにありったけ浴びせないと満足できそうにない」
「…女米、大丈夫か?」
「う……うん………っ…平気……」
女米は、目の前の惨状に怯えていたが、必死に声を出して見せた。
その声はとてもか細く、すぐにもかき消されてしまいそうな声。
守れるのは俺だけだ。
「よォォォし!行けェエェェエェ!!」
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