69: ◆bR/Hsa44HA
2012/04/05(木) 18:21:20.72 ID:VyxRDI+m0
「お前、…名前は?」
「無洗米、そう呼んでくれ」
無洗米と名乗る男は軽く会釈すると、それで、と続けた。
「お前らも見てわかるとおり、今の政府の状態は芳しくねえ、そこでだ」
「…」
「俺たちで、政府を乗っ取ろうじゃねえか」
「…は?」
「お前、正気だか?」
「ああ、いたって正気だと思うがね」
「なんで政府を乗っ取るなんてことをするんだ?」
当然の疑問だろうとばかりに言った犯罪米に、無洗米は落胆のため息をついた。
「俺たちで、ココのやつらを守ってやんのサ」
「ここの刑務所は、あってないようなものだ。刑期を過ぎても釈放されるかわからない」
「だったら、自分たちから罪を償おうとするのは、自然だと思うがねェ」
罪を償う。
その考えさえ頭から抜けていた犯罪米達は、ハッと顔をあげた。
「なるほどな…わからない気もしないだ」
「どうせ死ぬなら、最後にいいことして死にたい」
「だろう、そこでお前らにはやってほしいことがある」
「できるだけ多くの米たちを説得し、ここに集めてきてもらいたい」
「無理にとは言わない、できるだけ多く。それでいい」
犯罪米達は顔を見合わせると、コクリとうなずいて、足早に去っていった。
「…」
何かとてつもないことが、始まろうとしていた。
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