173: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:37:24.94 ID:3Ackjly40
眠い目を擦りながら、何となく腑に落ちない気持ちで居間に入る。
物に釣られた気がするけど、まあいっか。
こたつでぬくぬくしているうちに忘れてしまう程度の些細な問題だ。
さらに、だらしない姿勢でこたつの上のみかんに手を出してしまえば、おつかいの事すら忘れて眠ってしまいそう。
174: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:38:50.89 ID:3Ackjly40
綾乃は、何してるんだろう。
休日も、千歳と一緒に遊びに行ったり買い物したりしているのだろうか。
実はもう、二人は付き合っていて当たり前のようにデートとかしているのかな?
デート、という言葉には何やら憧れのようなものを感じる。
175: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:43:15.05 ID:3Ackjly40
『ありがとうございました〜』
予定通り、肉まんとおつかいの品の入った袋を片手にコンビニを出ると、わたしは近くの公園へ向かった。
本当はラムレーズンが食べたかったけれど、買えるほどのおつりが残っていなかったからだ。
176: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:45:54.24 ID:3Ackjly40
思わず声を掛けてしまったものの、何を話そうかと考えあぐねるわたし。
始業式の日の、あのシーンを見てしまってから、どうにも綾乃や千歳に話し掛けづらくて微妙な距離が出来てしまっている。
「あ。ここ、座ってもいい?」
177: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:46:52.77 ID:3Ackjly40
それにしても、本当、何を話そうかな。
いや、聞きたい事はいっぱいあるのだ。
クリスマスの後の綾乃の事、綾乃の進学先とか、あと、この前の生徒会室での事。
でも、表立って聞くのは何だか綾乃を意識しているみたいで恥ずかしかった。
178: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:48:57.12 ID:3Ackjly40
「ほな、歳納さん。これでええ?」
「あ、あーうん、ありがと千歳」
179: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:50:17.70 ID:3Ackjly40
これは・・・そうだ。
綾乃と結衣とわたし、3人で映画に行こうとした時の、チケットの半券だった。
結局、綾乃はあのまま帰ってしまったらしくて、仕方なく結衣と観たっけ。
180: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:51:24.27 ID:3Ackjly40
「あ、ごめんごめん、これコーラ代。えっと・・・今日は綾乃はいないの?」
「うん、今日は勉強に集中する言うとったわぁ」
181: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 02:52:17.05 ID:3Ackjly40
そして、沈黙が流れた。
そもそもわたしたちに共通の話題といえば、綾乃の事くらいしか無いのかもしれなかった。
何から聞こうか、そもそもどうやって切り出そうか。
182: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 03:04:06.41 ID:3Ackjly40
「うち、フられてしもてん」
「へっ!?」
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