過去ログ - 綾乃「好き。」
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92: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 23:02:54.52 ID:bIt6DJVy0

「綾乃、何ぼーっとしてんの? そろそろ行こうよ〜」

「え、あ、ごめんなさい。いま行くわ」

いつの間にか歳納京子は先に立ち上がって、腰に手を当てながら私を呼んでいる。

携帯電話の時計をちらっと見ると、もうすぐみんなとの合流時間に差し掛かっていた。
ああ、もうすぐ終わりがきてしまう。
もっとこんな楽しい時間が続けばいいのに。
もっと彼女と一緒に居たいのに。

歳納京子を前にすると、私が私じゃ居られなくなる。
彼女の存在を、不必要なほど強く意識している自分が居る。
彼女の事を知れば知るほど、惹かれてしまう。

それが分かっていながら何も伝えられない私は臆病だ。
髪を切っても根本的な所は何も変わっていないじゃないか。

先ほどまでの彼女の温もりを忘れないように手のひらをぎゅっと握り、私は隣を歩く。
彼女と同じ歩幅でもう少しだけ、横顔を見つめていたかった。




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