2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2012/01/16(月) 23:30:57.59 ID:5Cvu8oBHo
小学生の頃の私は、今以上に内向的で恥ずかしがり屋だった。
そんな私の周りには友達なんて数えるほどしかいなくて、誕生日会を開いてくれる友達になるともう、誰一人としていなかった。
その年の誕生日もまた、パパとママの三人で細々と過ごした。
特に寂しいとは思わなかった。家族だけで過ごす誕生日なんて、ごく当たり前のことだったから。
その次の日のことだ。
誕生日の余韻が抜けきらないまま、ご機嫌で登校する私に、一人の女の子が声をかけてきた。
「みーおちゃんっ、おっはよー!」
「あ、りっちゃん……お、おはよう」
この子は田井中律、私はりっちゃんと呼んでいた。
りっちゃんが私によく話しかけるようになったのは、この頃のことだった。
「あれ、みおちゃん。今日は何だか元気いいね」
「そ、そう?」
「うん、いつもはもっと暗くてハムスターみたいにおびえてるもん」
りっちゃんにむかっとするのは当時からだ。
「いいことがあったから」
「へー、何があったの?」
「……じょう日」
「えっ?」
「きのうね、たんじょう日だったの」
りっちゃんはすごく驚いた顔をした。
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