過去ログ - 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5
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333:れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc[saga]
2012/04/01(日) 02:02:54.78 ID:5ErbohVa0
 「うーむ」

 少年は唸る。早くも万策が尽きてしまった。なんて聞いてみたらよいものか。
 少年が腕を組み、頭を捻っていると、天狗が少年に近づいて右拳を差し出してきた。

 「ん?」

 開かれた手にあったものは、飴。

 「これって……」

 少年に飴を渡そうとしている天狗。
 
 (この子、本当に天狗の役をやらされてるのかな)
 
 少年は、自分と同じくらいの年齢の小さな天狗を眺めた。近づいてみたからわかる。よく見ると少年より幾分か小柄な体躯をしている。

 (僕より年下なのかな) 

 そしていつまでも差し出されたままになっている手に気付く。

 「って、ごめん。ありがとね!……あ、そうだ」

 少年は何かに気付き、自分のズボンのポケットに手を入れる。そしてズボンから手を抜き取ると、自分の手を天狗の手に被せた。

 「……っ!!」

 「これ、僕がもらった飴。交換こしようっ」

 天狗の手には、少年が渡したリンゴ味の飴が乗せられた。


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