過去ログ - 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5
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336:れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc[saga]
2012/04/01(日) 02:10:59.51 ID:5ErbohVa0
 「もうー、置いてかないでって言ったのにぃ!!」

 トンネルから涙声の少女が現れた。

 「……ごめん」

 「うぅー!!せっかくのお祭りの日だったのに!!」

 「ごめんね……でも」

 ドンドンドン。ピーヒャララ。
 遠くからは祭囃子の音が聞こえてくる。
 祭は少年の気持ちも知らずに、楽しそうな音楽を流して盛り上がっているようだ。

 「ぐすっ……もう帰ろ?花火、見れなくなっちゃうから」

 「……うん」
 
 二人は戻れなくなる前に砂利道を引き返すことにした。
 少年は落胆する。
 手を伸ばせば届きそうな所にまで来ていた不思議が、スッ、と遠くに行ってしまった気がした。
 もう二度と……。

 (そう言えば、天狗の子はどこにいったんだろ?)
 
 少年は一度だけ振り返るも、そこには誰もいなかった。





 「……」
 
 砂利道を通って島に帰って行く二人を、天狗はトンネルの横から眺めている。
 待ち焦がれていた何かを見送るかのように。
 
 ずっと、ずっと。

 ドンドンドン。ピーヒャララ。


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