過去ログ - 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5
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:
れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
[saga]
2012/04/01(日) 02:10:59.51 ID:5ErbohVa0
「もうー、置いてかないでって言ったのにぃ!!」
トンネルから涙声の少女が現れた。
「……ごめん」
「うぅー!!せっかくのお祭りの日だったのに!!」
「ごめんね……でも」
ドンドンドン。ピーヒャララ。
遠くからは祭囃子の音が聞こえてくる。
祭は少年の気持ちも知らずに、楽しそうな音楽を流して盛り上がっているようだ。
「ぐすっ……もう帰ろ?花火、見れなくなっちゃうから」
「……うん」
二人は戻れなくなる前に砂利道を引き返すことにした。
少年は落胆する。
手を伸ばせば届きそうな所にまで来ていた不思議が、スッ、と遠くに行ってしまった気がした。
もう二度と……。
(そう言えば、天狗の子はどこにいったんだろ?)
少年は一度だけ振り返るも、そこには誰もいなかった。
「……」
砂利道を通って島に帰って行く二人を、天狗はトンネルの横から眺めている。
待ち焦がれていた何かを見送るかのように。
ずっと、ずっと。
ドンドンドン。ピーヒャララ。
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