123:にゃんこ[saga]
2012/02/15(水) 19:24:27.58 ID:pP9cEDoP0
唯とは高校一年からの付き合いで、今じゃ大親友の一人って言ってもいい。
まだそんな長い付き合いじゃないのに、何だか不思議だ。
唯は誰とでも仲良くなれる奴だけど、勿論、誰とでも親友になるってわけじゃない。
そう考えると、やっぱり私達の気は合ってるんだろう。
一緒に居ると、何をするか分からなくって面白いし、あれで結構頼りになるしな。
特にあの曲……。
梓のために作った『天使にふれたよ!』は他のメンバーからは出て来ない発想だった。
そりゃ皆で歌詞を考え合って作った曲ではあるけど、
最終的に完成させられたのはあいつの発想があったからだ。
照れも無く後輩を天使と呼ぶなんて、メルヘンな澪でもちょっと無理だろう。
でも、唯って奴はそういう事が出来る奴なんだ。
私だって『天使にふれたよ!』は大好きな曲だ。
私の歌うパートがあるって点を除けば、本当に名曲だと思う。
いや、歌うのが嫌ってわけじゃない。
あの曲を梓に聴かせた時、意外そうな顔を向けられたのがどうにも印象に残ってるんだよな。
私が歌うのがよっぽど意外だったんだろう。
別に馬鹿にされてたってわけじゃないんだろうけど、何かな……。
やっぱりちょっと恥ずかしいんだよな。
恥ずかしい理由の一つには、
あの歌詞の中に梓への想いが込められてるからってのもある。
私だってあいつを置いて卒業したくなかった。
あいつと一緒に部活を続けたかった。
でも、離れてても、私達の楽しかった日々を忘れたくないから……。
いつか本当に離れる事になった時にも、絶対、梓の事を忘れたくないから……。
そんな想いを込めて作った曲だから……。
あの曲はそういうある意味で愛の告白みたいな曲なんだ。
だから、歌う時に恥ずかしさを感じちゃうんだよな。
勿論、そんな事、梓には口が裂けたって言えないんだけどさ。
恥ずかしいついでにもう一つ。
梓は確かに天使だったと思う。
唯が言うように、私達の結び付きを深めてくれた可愛らしい天使だ。
それは間違いないし、唯の言う事にしては珍しく正しい言葉だった。
だけど、やっぱり唯はちょっとだけ間違ってる。
梓は天使だけど、それ以上に天使なのはきっと唯だと思う。
いやいや、唯が愛らしい奴ってわけじゃないぞ?
そもそも天使が愛らしい存在ってのは、日本的なイメージらしいし。
まあ……、たまに愛らしい奴だって感じる事もあるけどさ。
でも、そういう事じゃなく、唯は神の御使い的な意味での天使だって私は思うんだ。
唯は梓の事を私達の絆を深めてくれた天使だって言った。
それを言うなら、それよりも前から私達を結び付けてくれてた唯の方がずっと天使だ。
唯が居なけりゃ、軽音部自体成立してなかったってのもあるけど、
あいつが居たから軽音部は楽しかったし、
ムギや梓、澪とだって想像以上に仲良くなれたんだ。
軽音部の皆だけじゃない。
和や憂ちゃん……、私一人じゃ絶対に話し掛けられなかったクラスメイト達……。
それに長い目で見ればさわちゃんや純ちゃんとだって、唯が居なけりゃ仲良くなれてなかっただろう。
657Res/1034.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。