15:にゃんこ[saga]
2012/01/19(木) 19:07:51.53 ID:nNWGVWep0
不意に。
強い風が吹いた。
夏なのに春一番みたいに強い強い風。
空気の圧力が私の瞳を擦り、
目を空けていられなくなった私は瞼を閉じる。
「うわっ」、「きゃっ」、
と周りで上がる声を聞く限りじゃ、
唯達も強い風に目を開けていられなくなったみたいだ。
少しの時間、強風が私達を包み込む。
その風はすぐに止まった。
文学的に言えば、一陣の風ってな感じになるのかな。
そう呼んでもいい一度だけ強く吹いた風だった。
「いやー、すごい風だったよなー」
ぼやくみたいに呟きながら、
私は閉じていた瞼を少しずつ開いていく。
その私の呟きには唯が応じてくれた。
「だよねー、すっごく強い風だからびっくりしちゃったよ。
ね、あずにゃん?」
その唯の言葉に梓は何も返さなかった。
目にゴミでも入ったんだろうか。
そう思って心配になったけど、そうじゃないのはすぐに分かった。
梓が目を見開いていたからだ。
その様子を見る限り、風が吹いている間、目を瞑っていなかったらしい。
どうも唯が上手い具合に風除けになったおかげで、風圧に目を擦られずにすんだみたいだな。
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