156:にゃんこ[saga]
2012/02/23(木) 20:17:50.58 ID:vT0us/C50
よかった。笑えてもらえたみたいだ。
少しはムギの気が晴れてたら嬉しい。
勿論、これはムギを笑わすために言った冗談なんだけど、
実を言うと、ほんのちょっだけ冗談じゃなかったりする。
いやー……、流石に単一、単二、単三、単四全部で五百本を超える電池は重いよ。
学校に戻ったらしばらく休んで、本当に誰かに肩を揉んでもらいたい。
そりゃ、今後の事を考えると、電池は必要な物なんだけど、
でも、それにしても、単二電池なんて久し振りに見たな……。
小学校の理科の授業で先生が持って来た以来じゃないか?
流石は琴吹家。
準備がいいと言うか何と言うか……。
まあ、単二電池を使う機会は、これからも絶対に無い気がするけどな。
ちなみに私より大きいムギのリュックの中には、
ただの電池だけじゃなくて、変圧器や蓄電池も入ってる。
キーボードを使うには単なる電池じゃ駄目なのは分かってるけど、
まさか蓄電池や変圧器なんかも用意してるなんて、やはり恐るべし琴吹家。
金持ちをやるにはそれくらいの用意周到さが必要なのかもな。
「分かったわ、りっちゃん」
急にムギがまた真剣な表情を浮かべて言った。
私より遥かに重いリュックを背負ってるのに、それはそれは力強い表情だった。
「学校に戻ったら、私、りっちゃんの肩を思い切り揉むね!
大丈夫、心配しないで。
こんな時のために、お家で誰かの肩を揉む練習してたから!
私、友達の肩を揉んであげるのって、一度やってみたかったの!」
「そ……、そうか。ありがとう、ムギ……。
お手柔らかに頼むな。
くれぐれもお手柔らかに頼む……」
くれぐれも、本当に、くれぐれもお手柔らかに頼みたい。
ムギって力持ちだからなあ……。
あんまり力を入れられると、逆に酷い事になりそうだ。
自分から頼んでおいて何なんだけどさ……。
でも、練習してたって言ってるから、多分、大丈夫かな。
ムギはそういう気配りは出来る子だから、心配する事は無いはずだ。
そんな風にムギの事を考えていると、いつの間にか私は微笑んでたみたいだった。
その私の表情に気付いたのか、ムギがまた静かに言葉を続ける。
「そうだ、りっちゃん。
りっちゃんの肩を揉む代わりに、私も一つお願いをしていい?
一つだけ……、りっちゃんに大切なお願いがあるの……」
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