過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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180:にゃんこ[saga]
2012/03/01(木) 19:40:05.34 ID:S33VmCS70
「……マッサージですか?」


「そうだよ、分かってんじゃんか」


軽く微笑んで、梓に言ってやる。
って、まあ、普通に考えたら、
私が憂ちゃんと密着する理由なんて、
マッサージ以外の理由があるはずがないんだけどな。
梓が顔を赤くさせてるのは、何かの勘違いをして(何とは言わないけど)、
敬語を使うのも忘れて、音楽室に飛び込んじゃった事が恥ずかしいからなんだろう。


「紛らわしい事しないで下さいよ、もー!」


梓が恥ずかしそうに大声を出す。
恥ずかしいなら誤魔化せばいいのに、それが出来ないのが梓って奴だった。
唯とは違った意味で素直な奴なんだよな、こいつ……。
私はもう一度笑ってから、恥ずかしがる梓に言ってやる事にした。


「まあ、気にするなって。
こういうのってお約束じゃん?
部屋の中から妙な声が聞こえるから駆け込んでみたら、やっぱりマッサージだったってやつ。
漫画で見かけると、まだこういうネタ使ってんのか、ってうんざりするんだけどさ。

でも、うんざりしながら、何か落ち着く気がしないか?
何だろうな……、何か伝統芸能に近い物を感じる気がするんだよな。
着々と伝えられる文化って言うか何と言うか……。
まあ、結局は、お約束ってやつなんだけど」


「いえ、確かにお約束なんですけど……。
でも、それを分かってて、
本当にやる人が居るなんて思わないじゃないですか……」


複雑そうな表情で梓が呟く。
確かに梓の言う通りではある。
でも、そこが盲点なんだけどな。
だからこそ、梓もそういうお約束がある事を分かってながらも、
まさか本当にそのお約束を実行する人なんて居ないって考えて、音楽室に飛び込んで来たんだろう。
梓が散歩から戻って来る頃を狙って、私が変な声を出してみてたとも知らずに……。
ククク……、見事に引っ掛かってくれたな。
計画通り!


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