197:にゃんこ[saga]
2012/03/06(火) 20:02:05.76 ID:c3OzPGO10
どうも憂ちゃんと比べると、
我が幼馴染みながら情けなくなるけど、それもそれで私の好きな澪の一面だ。
そこが嫌いだったら、こんなにも長い間、澪と付き合ってない。
高校だってきっと別の高校にしてた。
だから……、私は澪を大切に思うのと同じくらい、私を大切にしなきゃいけない。
私は重ねていた梓の手から自分の手を放し、憂ちゃんの肩に手を置いた。
まっすぐに憂ちゃんの瞳を見つめ、軽く頷く。
「うん、ごめん、憂ちゃん。
次からは気を付けるよ。澪をこれ以上心配させたくないもんな」
憂ちゃんは軽く微笑んで、
でも、少しだけ目の端を吊り上げて、口元に人差し指を当てた。
「めっ! ですよ、律さん。
そんな事言っちゃ、めっ! です。
律さんの事が心配なのは、澪さんだけじゃありませんよ。
私だって、お姉ちゃんだって、紬さんだって、純ちゃんだって、
和ちゃんだって、勿論、梓ちゃんだって、律さんの事が心配なんですから」
憂ちゃんのその言葉に純ちゃんは「うんうん」と頷いてくれたけど、
梓は私の二の腕から手を放し、「いや、私は別に……」と目を伏せて呟いた。
可愛げの無い後輩だけど、その頬は軽く赤く染まっていた。
どうも私の事が心配なわけじゃないんだけど、
面と向かって親友に自分の気持ちを言われちゃうと恥ずかしいらしい。
まあ……、気持ちは分かるかな。
唯の奴、勝手に私の気持ちを澪に代弁する事が結構あるんだけど、
あれは本当に恥ずかしいんだよな。
「りっちゃんも澪ちゃんの事が大好きだし!」とか真顔で言うんだよ、あいつ。
例え本当にそうでも、はっきり言われちゃうと素直になれなくなるっつーの。
しかも、更に腹立たしいのは、
あいつの代弁がその時の私の考えとぴったりな時が多い事だ。
エスパーか、おまえは。
いや、唯の事はともかくとして。
憂ちゃんの言葉は嬉しくて、申し訳なかった。
そうだな。私はもっと周りに目を向けなきゃいけないんだ。
もう一度、私は憂ちゃんに真剣な言葉を届ける。
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