198:にゃんこ[saga]
2012/03/06(火) 20:02:51.15 ID:c3OzPGO10
「そうだよね。重ね重ねごめん、憂ちゃん。
私だって皆の事が心配なんだ。皆だって私が怪我したら心配だよな。
気を付けるよ。皆の事、悲しませたくないもんな。
ま、残念だけど、梓だけは私の事が心配じゃないみたいだけどさ」
わざとらしく肩を落として溜息を吐いてやる。
私のその演技には気付いてるらしく、梓が「はいはい」と肩を竦めた。
本気で生意気だな、こいつは……。
昔はあんなに「律先輩、律先輩」って懐いてくれたのに……。
うん、ごめん、それは嘘。
梓は昔から生意気な後輩で、あんまり懐いてもくれなかった。
でも……、昔から私の事をちゃんと見ていてくれて、
今も私に悪い事を言っちゃったんじゃないかって、不安そうな顔をしていて……。
そんな可愛げの無い梓が可愛くて、いつの間にか私は微笑んでいた。
また、その頭を軽く撫でてやる。
抱き着いた回数こそ唯には全然及ばないけど、
梓の頭を撫でた回数なら、多分私の方がずっと多い。
それくらい習慣になってる私と梓のコミュニケーション。
色々と素直になれない二人だけど、このやりとりだけはずっと変えずにいたいと思う。
数秒後、その手は梓に軽く払われる事になるわけだが。
まあ、これもこれで私達の普段のコミュニケーション。
お約束ってやつだ、多分。
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