227:にゃんこ[saga]
2012/03/12(月) 14:14:18.41 ID:1/V17SaX0
◎
唯と澪が風呂後の散歩から戻り、
最後に残っていた私と和が風呂に入る事になった。
一瞬でも早く澪達に新ユニットの事と、
新ユニットで行うライブの事を伝えたかったけど、それはどうにか我慢した。
それぞれの先輩に一人ずつから伝えましょう。
そっちの方がカッコいいので。
澪達が戻る前、そう言っていたのは純ちゃんだった。
どうも純ちゃんって、そういうカッコよさにこだわる子なんだよな。
勿論、それに反対意見があるわけじゃない。
皆、嬉しそうにその純ちゃんの案に賛成した。
唯には憂ちゃんから、ムギには梓から、そして、澪には私から。
三人が、三人に伝えようと思う。
皆、多分、私の事をずるいって言うだろう。
唯なんかは頬を膨らませて、
「どうしてりっちゃんだけ」って言いながら、ポカポカ私の胸を叩くかもしれない。
でも、こればかりはどうにもならない事だ。
何しろ私達八人の中でドラムが出来るのは私だけなんだからな。
そんな感じに、ドラムスってのは必然的にどんなバンドにも入れるようになるもんなんだ。
ふふふ、自分達がメジャーな楽器を選んだ事を後悔するがいい。
それは単にドラムス人口が少なめっていう悲しい現実があるからだけど、
今は純粋にドラムって楽器の演奏を選んだ昔の自分に感謝したい。
こんな時にでも出来る事があった。
たまたまなんだろうけど、それが出来るようになった。
本当に嬉しい。
絶対最高のライブを届けなきゃって思う。
「キーボード……か」
五右衛門風呂の湯船(で、いいんだろうか?)に浸かりながら、和が独り言みたいに呟いた。
多分、独り言だったんだろうと思う。
和の視線は私の方に向いてなかったし、
その声は誰かに伝えようと思って出された声には聞こえなかった。
でも、私はその独り言を拾って返した。
「和、ごめ……」
ごめんな、って言いそうになって、ギリギリで言い留めた。
今はごめんって言うより、もっとふさわしい言葉があるはずだ。
小さく深呼吸してから、私は言い直す。
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