236:にゃんこ[saga]
2012/03/13(火) 18:10:45.34 ID:j2MHioAf0
分かってはいた事だけど、人に言われてしまうと複雑な気分だった。
私達が元の世界に帰れず、一生八人だけでこの世界に生きていくって未来……。
考えたくないけど、考えなきゃいけない事だ。
その未来……、私達は絶望せずに生きていけるんだろうか……?
不意に和が私の瞳を正面から見ながら呟いた。
「閉ざされた世界……」
「え? 何だって?」
「閉ざされてる……世界なのよね……」
「そりゃ、まあ……、
元の世界に簡単に戻れない、って意味じゃ閉ざされてるけどさ……」
「ううん、そうじゃないのよ。
閉ざされてるのは世界の方じゃなくて、もしかして……」
それから先は、和の方が口を閉ざしてしまった。
星空を見上げて、何かを考え込んでいるみたいだ。
閉ざされてるのは世界の方じゃない?
一体、どういう事なんだろう?
でも、『閉ざされた世界』って言い方は正しいと思う。
私達だけが閉じ込められた、閉ざされ切ったこの世界。
うん、ぴったりじゃんか。
これからは和の案を採用して、
今の状況の事を『閉ざされた世界』って呼ぶ事にしよう。
和が考え込んだみたいだったから、私はそれ以上和に何も訊ねなかった。
和だって考え込みたい事もあるだろう。
それに心当たりが無いわけじゃない。
閉ざされてるのは世界じゃなくて、異世界と繋がる門だって和も考えてるのかもしれない。
私がそう考えちゃうのは単に、
最近、異世界を門で繋いで渡るゲームや漫画をよく見てるからでもあるけど、
そんな感じで繋がれた異世界への門が閉ざされてるって考えれば、
和の言葉は閉ざされた門の事を言ってたんだって事で十分説明出来ると思った。
和がしばらく黙り込んでいたから、
私は五右衛門風呂から上がって、和の隣のプールサイドに腰を下ろした。
何となく、ゆっくりと和の身体を眺めてみる。
髪が短めなのに、男の子っぽいってわけじゃなく、可愛らしい顔立ちだと思った。
眼鏡を外した姿も新鮮で、濡れた髪も艶っぽくて何だかドキドキしてくる。
いやいや、私は別に女の子が好きってわけじゃないけどな。
スタイルに関しては……、
あー……、やっぱり私より発育いいな……。
うん、もう慣れたよ。
慣れましたよ……。
慣れたっつってんだろ、コンチキショー!
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