過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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25:にゃんこ[saga]
2012/01/20(金) 19:37:44.49 ID:RkUbXfly0
「どうしたのよ、律?」


知らず知らずの内に自嘲してしまっていたらしい。
和が少し心配そうな表情で私の顔を覗き込んでいた。
いかんいかん。
自己嫌悪なんかしてても、それで何かが解決するわけじゃない。
今はそんな事をやってる場合じゃないよな。
私は軽く自分の頬を叩いてから、和に向けて軽く微笑んだ。


「いや、何でもないぞ、和。
それより県内の地図だったよな?
今日こそしっかりメモって、忘れずに本屋に行ってくるよ。
この便利屋りっちゃんにお任せあれ」


「悪いわね、律。
毎度お使いなんかさせちゃって。
本当は私が自分で本屋に行くべきなんだけどね……」


「気にすんなって。
私の分担は肉体労働で、和の分担は頭脳労働だ。
適材適所ってやつだな。
その代わり和にはこの世界の謎を解き明かしてもらうから、頑張ってくれよ。

……なんてな。
それは流石に冗談だ。
こんなわけ分からん状況、そう簡単に解決出来るかっての。
でも、その代わり、和には私達がこれからどうすればいいのかを考えてほしいって思う。
情けない話だけど、私の頭じゃこれからどうすりゃいいのか見当も付かないんだよな」


「それが普通だと思うわよ。
こんな状況、誰だってどうするべきなのか戸惑うと思うわ。
さっき律は私の分担が頭脳労働だって言ってくれたけど、でもね……」


珍しく、和が言葉を止める。
それから、さっきの私みたいな自嘲。
いつも自信満々ってわけじゃないけど、
自分に自信が無さそうな和を見るのは多分初めてだから、私はつい訊ねてしまっていた。


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