269:にゃんこ[saga]
2012/03/24(土) 18:53:49.52 ID:J932UPGH0
でも、それはまだもうちょっとだけ先の話だ。
私はスティックを掲げると、私の新しい仲間達に向けて宣言してみせる。
「よっしゃ。
仲間同士の親交も大切だけど、練習だって同じくらい大切だ。
そろそろ練習しようぜ!
期限があるわけじゃないけど、出来るだけ早く澪達にライブをみせてやりたいからな!」
私の言葉に、「はいっ!」、「そうですね!」、「分かったわ」と三者三様の返事が上がる。
皆の返事は嬉しかったけど、同時に私は突っ込みを待っていた。
多分、あいつからの突っ込みが来るはずだって思ってた。
このパターンならあいつから、
「普段は練習しようなんて言わないのに、今日はやけに張り切ってますね」って突っ込みが来るはずだ。
そう思ってた。
だけど、あいつからの……、梓からの生意気な突っ込みは来なかった。
梓は私の言葉をまるで聴いてないみたいに、音楽室の壁を見つめながらぼんやりしていた。
「おーい、梓ー?
練習だぞー? おまえがいつもやりがってる練習だぞー?」
ちょっと声を張り上げてみるけど、梓は全く反応しなかった。
そういや、梓はさっきまでの会話にも全然参加してなかったよな。
私と憂ちゃんの会話には参加しそうなもんなんだけどな……。
何か悩み事でもあるんだろうか……。
何だか心配になる。
でも、大事だって騒いじゃうのも、梓に悪い気がするしな……。
どうしようかな……。
何個か解決策を考えてみたけど、私らしい最適な答えは一つしか見つからなかった。
我ながらひどい解決策だなって思う。
でも、それが一番だ思ったから、私は少し深呼吸してから意を決して立ち上がった。
壁を見つめている梓にゆっくりと近付いていく。
手を伸ばせば届く距離。
そんな距離にまで近付いても、梓は私の行動に気付いてないみたいだった。
小さく溜息を吐いてから、私は梓に手を伸ばして……、
成長してる気がしないでもないその梓の控え目な胸を鷲掴み、耳元で囁いてやった。
「あーずーさちゃん?」
「にゃっ!?」
梓があだ名通りの猫みたいな悲鳴を上げる。
やっぱ効果抜群だな。
ぼんやりしてる澪によくやる技なんだけど、澪の奴もこの私の技には弱い。
ほぼ確実に反応して、その後に「聞こえてるよ!」って言いながら殴り掛かって来る。
聞こえてるなら反応しようぜ……。
梓の奴も多分、殴り掛かって来るはずだ。
前に澪のコスプレ……、じゃないか。
とにかく澪の真似をさせようとした時、
こいつ、「律、うるさい!」って言いながら本気で殴り掛かって来たからな……。
あれは痛かった……。
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