過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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27:にゃんこ[saga]
2012/01/20(金) 19:40:25.41 ID:RkUbXfly0
「でもさ、和。
和の冷静さが現実逃避から生まれたものでも、私達はそれに助けられてるよ。
特に一昨日の澪なんか、私じゃとても説得し切れなかった。
和が居てくれたおかげで、和が冷静だったおかげで、
あれだけ怯えてた澪も、とりあえずは落ち着けたんだよ。
だからさ、ありがとうな、和。
私の面倒臭くて大切な幼馴染みを助けてくれて」


「ありがとうだなんて……、そんな……」


言いながら、和が少し赤くなった。
ずっと張っていた緊張も、ほんの少しは解れてきたんだろうか。
ちょっとでも和の役に立てたんだとしたら、私も嬉しい。

私の言葉は和を落ち着かせるためのものでもあったけど、嘘は一つも言ってなかった。
私は本当に和に感謝してる。
和が居なければ、本当にどうなっていたか分からない。

あの一陣の風が吹いて一日経った一昨日、
澪は誰も居ない澪の家に長い間閉じこもっていた。


「パパやママが帰って来るのを家で待つ」


そう言って、私の言葉どころか誰の説得にも応じようとしなかった。
別に澪の行動が間違ってるわけじゃない。
自宅で澪が澪の両親を待ちたいと言うんなら、それも選択肢としてはありだと思う。
ひょっとすると、本当に澪の両親が帰って来る事もあるかもしれない。
途轍もなく低いけれど、その可能性はある。

でも、澪にその選択肢を選ばせるわけにはいかなかった。
こんな状況で、残された八人がバラバラに行動する事を避けた方がいいのは分かり切っていた。
大体、この世界に本当に誰も居ないのか分からないじゃないか。
勿論、それはいい意味じゃない。
悪い意味で、この世界には誰かが居るかもしれない。
それこそ私達を獲物としてるエイリアンみたいなやつが居てもおかしくないじゃないか。

馬鹿馬鹿しい話だけど、それすらも無いとは言い切れない。
突然飛ばされた閉鎖空間の中で、
平凡な主人公は謎の化物と戦う事になる……、
なんて陳腐な話だけど、それだけにありえるかもしれないしな。


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