292:にゃんこ[saga]
2012/03/27(火) 19:20:23.31 ID:5ewreEgZ0
「今日の夜……!
今日の夜、一緒にお風呂に入ろうね!
私、憂と色々話したい事があるんだ……!
だから、今はちょっとだけ、またね……!」
瞬間、私は見逃さなかった。
唯に抱き着かれた憂ちゃんのその手が唯の背中を抱き留めようとして……、
でも、遂にはその手が唯の背中に回らず、唯の肩にだけに軽く置かれたのを。
憂ちゃんにも躊躇いはあるのかもしれない。
だけど、憂ちゃんは笑顔を崩さなかった。
「うん!
今日は一緒にお風呂に入ろうね、お姉ちゃん!
いってらっしゃい……!」
「うん!
絶対だよ……! 絶対だからね……!
りっちゃんも純ちゃんもまたね!
いってきます!」
言って、唯は走り出した。
唯のスピードだからそんなに速くなかったけど、
出来る限りの全速力で澪とムギの所に向かってるんだろう。
すぐにその姿は校舎に吸い込まれていった。
軽く憂ちゃんに視線を向けてみる。
思った通り、唯が居なくなった後の憂ちゃんの表情は寂しそうだった。
やっぱり、少しだけ無理をしてるんだろう。
私が何か声を掛けようとした瞬間、それより先に純ちゃんが憂ちゃんに訊ねていた。
「本当によかったの?
何だったら、今日の私達の練習は早めに切り上げてもいいんだよ?」
そう訊ねる純ちゃんの表情も辛そうだった。
親友が寂しそうな表情を浮かべているのが辛いんだろう。
私だって、憂ちゃんが寂しそうにしてるのは辛い。
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