過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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293:にゃんこ[saga]
2012/03/27(火) 19:22:55.22 ID:5ewreEgZ0
だけど、憂ちゃんはゆっくり首を振ると、また穏やかに微笑んだ。
寂しそうだったけど、安心出来る笑顔だった。


「ううん、駄目だよ、純ちゃん。
練習はちゃんとしなきゃいけないよ。
いいライブ、お姉ちゃん達に見せてあげたいし……。
それにね……、これは私が選んだ事なんだもん」


「憂の選んだ事……?」


「うん。
私ね……、純ちゃんには言ってなかったけど、一人で決めてた事があるんだ。
ううん、誰にも話してなかった事があるの……。
いい機会ですし、律さんも私の話を聞いて下さいませんか?」


まっすぐな視線を憂ちゃんが私に向ける。
私はリュックサックを下ろし、頷いてから憂ちゃん達を木陰に誘った。
この熱気の中、暑さに参りながら聞くような話でもないはずだ。
純ちゃんも一緒に、大きな木の陰に三人で腰を下ろす。

木に背を預け、緩い風に揺れる葉っぱの音が聞こえる。
小鳥の声や蝉の鳴き声なんかは聞こえないけど、いい雰囲気だ。
気持ちのいい昼下がり……って言えるのかな?
憂ちゃんが優しい笑顔を浮かべて、話を続ける。


「私、皆の姿が見えなくなっちゃって、
律さんや和ちゃんとほうかごガールズを組む前から、ずっと思ってた事があるんです。
お姉ちゃんが大学に入って、傍で暮らさないようになって、寂しかった……。
すっごく寂しかったけど……。
でも……。

寂しかったからこそ、出来る事があるって思ったんです。
寂しかったからこそ、やりたい事があったんです」


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