過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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297:にゃんこ[saga]
2012/03/29(木) 19:03:39.34 ID:ijrP8wMy0
「やりたい事……って、ライブ……だよね?」


純ちゃんが首を傾げて、憂ちゃんに訊ねる。
憂ちゃんは少しだけ純ちゃんに視線を向けて、軽く頷いた。


「うん、そうだよ、純ちゃん……。
純ちゃんは知ってる事なんですけど、律先輩、聞いて下さい。
私……、お姉ちゃんと離れて暮らすようになって、ちょっと荒れてた時期があったんです……」


憂ちゃんが荒れてた……?
どんな事になってたんだ……?
凄く難しかったけど、頑張って想像してみる。
結構経ってどうにか想像出来たのは、パーマを掛けて長いスカートを履いた憂ちゃんの姿だった。
スケ番憂ちゃん!
……って、我ながら発想が古いな……。

そうやって、私が変な顔をしてた事に気付いたんだろう。
純ちゃんが苦笑しながら、私に説明するみたいに言ってくれた。


「荒れてたは言い過ぎでしょ、憂?
私が差し入れしたドーナツのスーパーオールスターパックを全部食べちゃったくらいじゃん。
まあ、私がそれ全部食べていいって言ったんだけどさ。
でも、まさか、本当に全部食べちゃうなんてね……」


「うん……、私もあんなに食べられるとは思わなかったよ。
あの時はごめんね、純ちゃん……」


「いいのいいの、終わった事でしょ?
気にしない、気にしない」


言いながら、純ちゃんが憂ちゃんの頭を撫でる。
普段梓にやってるそれとは違って、憂ちゃんを撫でる純ちゃんの手つきは優しかった。
でも、やり方こそ違うけど、梓も憂ちゃんも純ちゃんの親友って事には違いない。

しかし、憂ちゃんにとっては、それが荒れてるって事なのか……。
確かにスーパーオールスターパックを全部食べるなんてただ事じゃないけどさ。
前に皆で食べたけど、あれ、かなり量あるよな……。
それだけ憂ちゃんの喪失感が深かったって事なんだろうな。
大学に入学するまで、唯も憂ちゃんもそれを気にしないようにしてたみたいだけど、
現実にそうなっちゃうとやっぱり寂しかったんだろう。
私だって聡と離れるのは結構寂しかったもんな。

そういや、唯の奴も一時期はかなり荒れてたな。
一回、ムギが用意した二日分のお菓子を一人で全部食べちゃった事があった。
その量、実にケーキ二ホール。
逆に凄いから、怒る気にもなれなかったよな、あの時は……。
ともあれ、姉妹揃って同じ荒れ方をしてたってわけだ。
荒れてた……ってのとは、多大に違ってる気がしないでもないが。


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