301:にゃんこ[saga]
2012/03/29(木) 19:17:33.52 ID:ijrP8wMy0
「うん。
ライブが終わったら思いっきり唯に甘えちゃいなよ。
唯も寂しがってたしさ、姉妹水入らずで思いっきり甘えちゃえ。
あいつ、きっと喜ぶからさ」
私が言うと、「はいっ!」って返事をした憂ちゃんが、私の背中に手を回して抱き着いた。
抱き着かれる寸前に見た憂ちゃんの潤んだ瞳と赤い頬はすっごく可愛らしかった。
畜生、可愛いなあ……。
私は憂ちゃんのあまりの可愛さに、自分の顔が熱くなっていくのを感じる。
どうやら私のその様子を見られていたらしい。
純ちゃんが猫みたいに悪戯っぽい表情を浮かべて、意地悪く私に訊ねた。
「お、律先輩、照れてますね?」
「て、照れてねーよ……」
「あらまあ、りっちゃんったら可愛い!」
純ちゃんに急にりっちゃんと呼ばれ、思わず咽た。
自分で言った事ながら、急に呼ばれると恥ずかしい。
私は腕の中の純ちゃんを解放してから、軽く腕を頭上に掲げた。
「りっちゃんって言うなー!」
「りっちゃんがりっちゃんって呼んでいいって言ったんじゃないですか。
今更、撤回は無しですよー、りっちゃん!」
「それはそうなんだが……、うーっと……、えーっと……。
それよりほら! 梓と和はどうしたんだ?
音楽室で練習でもやってるのか?」
「お、誤魔化しましたね、律先輩。
まあ、今回だけは許してあげましょう。
梓は音楽室で和先輩とボイストレーニングしてますよ。
ピアノでボイストレーニングってやっぱり基本じゃないですか。
私が言うのも何ですけど、梓、前よりずっと上手くなったと思いますよ!
そりゃ……、感動的なほど上手ってわけじゃないですけど、でも……」
純ちゃんが一瞬だけ不安そうな表情を見せる。
何だかんだ言って、やっぱり梓の事が心配なんだろう。
純ちゃんのモコモコを触ってから、今度は私が笑ってやった。
「分かってるよ。
梓が歌が苦手なのも分かってる。
でも、その梓がボーカルに挑戦してくれるって事が、やっぱ嬉しいよ。
ライブの時にさ、純もコーラスで梓を支えてやってくれよな」
「勿論です!
……って、今、私の事、『純』って呼びました?」
「ふっふっふ、どうだったかなー?」
「あ、純ちゃんいいなー。私も呼び捨てで呼んでもらいたいよー」
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