過去ログ - 律「閉ざされた世界」
1- 20
34:にゃんこ[saga]
2012/01/22(日) 18:50:50.87 ID:ybIj+qay0
「どういたしまして」


和が小さく微笑む。
とても素敵な笑顔だと思った。
お姉ちゃん……、いや、お母さんかな。
本当に和はこんな状況でも私達を引っ張ってくれる、頼り甲斐のあるお母さんだ。
和には遠く及ばないにしても、私も皆を支えられるお父さんみたいになれたらいいな。

……ん?
いやいや、変な意味じゃないぞ。
私がお父さんで和がお母さんってのは、あくまでも例えだからな。
誰に言い訳してるのかは自分でも分からんが、とにかく変な意味じゃないぞ。

馬鹿な事を考えちゃったせいか、何だか顔が熱くなってきた。
私は頭を振ってから、和に気になっていた事を訊ねてみる事にした。
あんまり触れたい話題でもなかったけど、触れないわけにもいかない事だった。
今後、澪と笑顔で話すためにも。皆と笑顔で話せるためにも。


「そういやさ、和……。
和は結局、世界に何が起こったんだと思う?」


「またそれは突然ね、律。
でも、話題にしないわけにもいかない事でもあるわよね……」


「ごめんな、和。確かに突然だったかもな。
でも、やっぱり気になって……さ。
自分で言うのも変だけど、そんなによくない私の頭じゃ全然見当も付かないんだよ。
勿論、和にだって分からない事だってのは知ってるけど、
だけど、和の事だからいくつか推論くらいは出来てるんだろ?
よかったらそれを教えてくれないか?
……あ、いちいち注文を付けて悪いけど、私の頭で分かる範囲内でさ」


私が人差し指を立てて念を押すと、和が普段より大きく笑った。
こんな時なのにそんな事を気にする私が滑稽だったのかもしれない。
でも、それでよかったんだと思うし、和もそれで納得してくれたみたいだった。
和はしばらく笑った後に頷いて、
「私にもほとんど何も分かってないけど」と前置きしてから始めた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
657Res/1034.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice