340:にゃんこ[saga]
2012/04/20(金) 18:09:48.80 ID:CZrAexFF0
五人で手を繋ぎ、とりあえず私達は歩き始める。
ゆっくりと時間を掛けて、憂ちゃん達を探しながらホテルに向かった。
分かっていた事だけど、道中、憂ちゃん達の姿は全く見つからなかった。
それどころか誰の姿も、生き物の姿も見当たらない。
やっぱりこのロンドンに居るのは私達五人だけなんだろう。
名残惜しい表情を浮かべながらも、唯もとりあえずはホテルで休む事に納得してくれた。
これから……、私達は一体どうなるんだろう……?
皆と手を離し、皆で同室のベッドに五人で横たわりながら私は考える。
今日は休むとして、明日からはどうしたらいいんだろう。
憂ちゃん達の姿を探すべきなんだろうか。
それとも、日本に帰る手段を探すべきなのか。
いやいや、むしろロンドンでの永住を決心するべきか……?
分からない……。
考える事が多過ぎて答えがまとまらなかった。
と。
「……痛?」
ベッドに横たわって少し落ち着けたせいか、私は急に左手に痛みを感じた。
誰にも気付かれないように左手を広げて視線を向けてみる。
何だ、これ? と思った。
いつの間にか私の左手は何かに圧迫されたみたいに真っ赤になっていた。
どうしてこんな事に……?
あっ、そうか。
また澪が怯えて私の手を強く握ったんだな……。
あいつ、昔、肝試しした時に痛いくらい私の手を握ってたしなあ……。
……って、違う。
さっきまで私は澪と手を繋いでない。
私が手を繋いだのはムギと梓で、私の左手を握ってたのは確か……。
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