過去ログ - 律「閉ざされた世界」
1- 20
394:にゃんこ[saga]
2012/05/06(日) 17:27:38.52 ID:i5v7bhML0
急に梓が笑顔になった。
優しい笑顔と甘い声色で喋り始めた。


「もう……、律先輩に全部言われちゃいましたね……。
律先輩ったら大雑把でいい加減なのに、色々考えてて困ります。
たまには私にもカッコつけさせて下さいよー」


何を言ってるんだよ、梓。
私が前に進めてるのはおまえのおかげだよ。
おまえが支えてくれて、励ましてくれるから、私は未来に進めるんだ。
おまえが私達に翼をくれたんだ。
おまえの笑顔が私を私で居させてくれてるんだ。
梓が居るから……。
梓が……。
そうだよ……。
きっと梓なら何度も私を立ち直らせてくれるし、
何があったって私を支え続けてくれるはずなんだ。

私は両手を伸ばして梓の肩に手を置く。
梓が私の方に視線を向ける。
私の大好きな笑顔を見せて、温かさを手のひらに感じさせてくれてて……。
もっと……、梓の体温を感じていたい……。
心にぽっかり空いた穴を、誰かの体温で埋めたい。
梓だってそう思ってるはずだ。
たった五人きりの世界、誰かの体温を感じたいって思ってるはずなんだ。
梓の柔らかそうな唇が目に入る。
梓の唇に私の唇を重ねたら、この不安は消えるだろうか。
梓の不安も消してやる事が出来るだろうか……。
そうだな、大丈夫。女同士でも不安を消すためならキスくらい別に……。
そうして私は……、
梓の肩を私の方に引き寄せようとして……。

限界の所で押し止めた。
どうにか……、それ以上の事をせずにいられた。
梓の両肩から手を離して、嫌な汗を掻くのを感じながら拳を強く握り締める。

何だ……?
今、私は何をしようとしてたんだ……?
梓を抱き締めようとしてたのか……?
抱き締めて、キスをしようとしてたのか……?
どうして……?
何で私は急に梓にそんな事をしようと……。

自分のしようとした事が信じられなかった。
裸で梓とキスをしようとするなんて、どうかしてる。
そんなの一時の気の迷いだ。
そうに決まってるじゃないか。
どうして私が梓とキスしなくっちゃいけないんだよ。
女同士だし、梓の事は好きだけど、そういう意味なんかじゃないんだ


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
657Res/1034.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice