53:にゃんこ[saga]
2012/01/26(木) 20:23:09.71 ID:DHbPiHVK0
でも、今の世界がこんな状況だから、余計に私は動き出せなくなってる。
下手な事を言ってしまって、もしも誰かから少しでも拒絶されてしまったら……。
私はそれに耐えられる自信が全然無い。
今だって不安を必死に押し殺してるのに、
これ以上誰かを失ってしまうなんて、考えただけで身体が震えるのを感じる。
世界に私達以外誰も居ないこの状況。
こんな状況で仲間を失ってしまったら、その先にあるのは完全な孤独だけじゃないか。
馬鹿みたいだって自分でも思う。
『完全な孤独』だなんて、思春期の中学生かよ……。
私はもう大学生なんだぞ?
自分が誰からも愛されてるって考える事と同じくらい、
自分が誰からも拒絶されてるって考える事は馬鹿な事だって知ってる年頃だろ?
そう思うのに、やっぱり動き出せない自分はまだ本当に子供だ。
少しは成長出来たつもりだったのに、本当に私はまだまだだ。
高校三年間、どうにか軽音部の部長をやり遂げられたと思ってたのにな……。
そんな事を考えてたせいだろう。
休みの日はかなり寝入っちゃう私なのに、今朝に限って早く目が覚めた。
寝袋の中から身体を引きずり出して、
家から持ってきた目覚まし時計に目を向けると、まだ六時にもなっていなかった。
勿論、早寝のせいもあるんだろうけど、
こんな早い時間に目を覚ますなんて滅多にない事だ。
周りを見回してみると、和と梓はまだ眠っていた。
和と梓は静かな寝息を規則正しく立てている。
でも、梓の隣の布団で寝ていたはずの純ちゃんの姿が無かった。
布団だけ残して、純ちゃんの姿は影も形も見当たらない。
部室の方にでも行ったんだろうか?
私もちょっと校内を散歩しようかな……?
そう思いながら、生徒会室の扉を開いてみて……、私は息を呑んだ。
廊下、生徒会室から少し離れた場所に、純ちゃんの変わり果てた姿が転がっていたからだ。
昨晩、一緒に寝ていた時とは、明らかに違っている純ちゃんのその姿……。
髪型は無惨に乱れ、可愛いデザインのパジャマも見る影もなく……。
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