55:にゃんこ[saga]
2012/01/26(木) 20:24:21.54 ID:DHbPiHVK0
不意に。
私の後ろからとぼけた様子の声が響いた。
「あーあ、純ったら……。
あれだけ気を付けてって言ったのに……」
驚いて、私は声の方向に振り返る。
そこには寝ぼけ眼の梓が、呆けた様子で立っていた。
その梓の表情からは、驚いた様子は一切見受けられなかった。
何だよ……。
何を言ってるんだよ、梓は……。
「気を付けて」ってのは何の話なんだ?
梓は何を知ってるってんだ?
学校の中でエイリアンが歩き回ってる事を知ってたってのか?
「律先輩の声で目が覚めちゃいました……。
何があったのかと思ったら……、純のせいだったんですね……。
大丈夫ですよ、律先輩……。すぐ慣れますから……」
梓が何の感動も無く、淡々と言葉を続ける。
背筋が凍る気がした。
こんな異常事態に冷静でいられる梓の事が、心底恐ろしくなってくる。
慣れるってのはどういう事なんだよ。
また何度もこういう事が起こるって言いたいのか?
それとも、梓はこういう事を何度も経験してきたってのか?
私は喉から声を絞り出して、
震える身体を抑えながら、掠れた声でどうにか梓に言った。
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