過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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586:にゃんこ[saga]
2012/06/20(水) 18:01:22.35 ID:WKz3Fjby0
私は腰に手を当てて、はったりを大量に込めて唯に言ってやる。


「ほれ、やっぱりロンドンも何も関係無かったじゃんか。
だったら、私がそれを着る必要は無いよな?
さあさあ、隠した私の服を出したまえ、唯隊員」


「ええぅ……? でもでも……」


唯は譲らなかった。
唯がこんなに食い下がるのは珍しかった。
でも、唯はどうしてこんなに五人お揃いの服にこだわってるんだろうか。
五人で同じ服を着る理由なんて……。

……あっ。
そこで私はやっと気付いた。
そうだ。一つだけあった。私達が同じ服を着なきゃいけない理由。
それは……。


「ひょっとして、それ……、ライブの衣装……か?」


私が訊ねると、唯が少しだけ嬉しそうな顔になって頷いた。
澪とムギも唯に続いて頷く。
なるほどな。唯の奴が対バンとか言ってたから、すっかり勘違いしてた。
唯は最初から放課後ティータイムのライブをするつもりだったんだ。
そういや放課後ティータイム同士の対バンとも言ってた気がする。
対バンするにしても、あくまで放課後ティータイムとしてライブをするつもりだったんだ。

私は小さく息を吐いてから、唯の頭に手を置いて続ける。


「何だよ……。
それならそうと最初っから言えよな、唯。
澪とムギもだぞ?」


「ううん、澪ちゃんとムギちゃんは悪くないよ。
私が用意してたこの服でライブやりたいって言ったんだもん。
可愛い服だって思ったから、皆でこの服を着たかったんだ……。
でも、りっちゃんとあずにゃんは、こういう服苦手かなって思って……。
変な意地悪みたいになって、ごめんね、りっちゃん……」


唯が落ち込んだ様子で呟く。
衣装を勝手に用意してたって事もあるけど、まだ申し訳無さを感じてもいるんだろう。
この世界に私達を引き込んでしまった事にまだ責任を感じてるに違いない。
でも、唯がそんなに責任を感じる必要なんて無かった。
確かに始まりは唯が原因だろうけど、それを選んだのは多分私達なんだ。
私達が唯と一緒に居たかったんだ。
唯はそれを叶えてくれただけなんだ。
私は軽く唯の頭を撫でながら言ってやる。


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