587:にゃんこ[saga]
2012/06/20(水) 18:01:49.69 ID:WKz3Fjby0
「確かにこういう服は苦手だよ。
ヒラヒラしてて、無駄に女の子っぽくてわけ分かんねーし……。
でも、さ……、そんな事より皆でお揃いのライブ衣装を着れる事の方が嬉しいんだぜ?
折角唯が用意してくれた服なわけだし、ライブ衣装なら喜んで着るよ」
「いいの……?」
「いいって言ってんだろ?
妙に遠慮すんなよ、唯。もっと普段通り好きな事言ってくれよ。
おまえもおまえらしくやってくれた方が、私も嬉しいからさ」
「じゃ、じゃあ……、髪を……」
「あ、三つ編みは嫌だからな。
嫌だよ、あんな痛い髪型。三つ編みだけは断固断る。
それ以外なら従ってやらんでもないが」
「先を越されたっ?」
唯が悔しそうに唸り、それを見ていた澪達が楽しそうに笑った。
やれる事はやってやるが、出来ない事はちゃんと断る。
それこそが本当の仲間ってやつだ、多分。
「じゃあ、風邪をひく前に着替えちゃいましょうか、律先輩?」
梓が私の肩を軽く叩いて言った。
確かにそうだ。
三つ編みはともかくとして、冷える前に着替えなきゃ風邪をひいてしまう。
まあ、この私であって私でない身体が、風邪をひくのかどうかは分かんないけどさ。
梓がベッドに置いてある衣装に向かったのを見届けた後、
「じゃあ、着替えてからな」と言って私が部屋を繋ぐ扉を閉めようとした瞬間、
唯が最後にもう一つだけ私に小さな頼み事をした。
小さな事。でも、私としては結構勇気の居る唯の頼み事……。
少し躊躇ったけど、三つ編みよりはマシかもしれない。
私は頷いてからそれを受け取ると、扉を閉めて梓と一緒に着替えを始めた。
657Res/1034.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。