612:にゃんこ[saga]
2012/06/27(水) 18:27:35.17 ID:1YUM5IIB0
リボンが風に乗り、空に舞い上がる。
リボンが宙を舞う。
私達を繋いでいた物、結んでくれていた物が飛んでいく。
繋がれていた私達の心を解放していく。
残されたのは私達の孤独で自由な心。
何処までも不安と隣り合わせの心。
でも、それでよかった。
私達はこれまで自分達の心を雁字搦めに縛っていた。
皆と傍に居なきゃいけないって強迫観念に囚われていた。
それで自分だけじゃなく、皆の心まで雁字搦めに縛ってしまっていたんだ。
だけど、そんなの……、孤独よりももっと酷くて悲しい事だ。
私達は自由になって、自由にさせるべきなんだ、皆の心を。
宙に舞ったリボンを目で追えなくなった頃、
唯が軽く微笑みながら、また突拍子も無い事を言った。
「ねえ、皆……。
ライブ会場まで走らない?」
「走る……って、唯、おまえ、体調は……?」
私が訊ねてみると、唯は軽く首を横に振って続けた。
その瞳には強い想いが宿ってるように見えた。
「身体の調子なら大丈夫だよ?
澪ちゃん達のおかげで結構休ませてもらったもんね。
勿論、危ないと思ったらすぐに走るのやめるよ。
何だかね……、今とっても走りたい気分なんだ。
駄目……?」
駄目なわけなかった。
実を言うと、私だって今すぐにでも走り出したい気分だった。
自分でも自分の中の想いが掴み切れてない。
でも、走りたかったんだ、どうしても。
私は自分のわけの分からない衝動に苦笑しながら、澪、ムギ、梓の順で視線を交わしてみる。
三人とも苦笑しながら、多分、私と唯と同じ想いを抱いてるみたいだった。
私はまたもうちょっとだけ苦笑してから、唯の頭に軽く手を置いて言った。
「いいんじゃないか?
私もちょっと久々に走ってやりたい気分だったからさ。
でもさ、走るのがちょっとでも辛くなったら、すぐに言えよ?
別に急がなきゃいけない用事ってわけでもないんだからな」
「うんっ!
ありがとう、りっちゃん、皆!
じゃあ、早速……、
よーい……、ドン!」
言い様、唯が勢いよく飛び出して行った。
まあ、ゆっくり追い掛けるか、とか思っていたら、
既に結構先に行っていた唯がとんでもない事を言い出しやがった。
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