過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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75:にゃんこ[saga]
2012/02/02(木) 19:38:22.19 ID:sR4KlcE40
ごめんな、ありがとう。
私は心の中だけで純ちゃんに礼を言って、軽く頷いた。
私が頷いたのを見届けると、純ちゃんは私の手を引いてオカルト研の部室の扉を開いた。
鍵は掛かってないみたいだった。
純ちゃんが鍵を見つけたのか、元から掛かってなかったのか、それはどっちでもいいか。

勝手に入るのには、勿論ちょっと抵抗がある。
でも、今更そんな事を言ってる場合でもなかった。
大体、非常事態とは言え、昨日私達は近所のスーパーから食べ物を持ち出してるんだよな。
悪い事をしてるとは思ったんだけど、他に食べ物を手に入れる方法は無かった。
一応、レジの中にお金を入れておいたけれど、勝手にやっちゃ犯罪だよな……。
もしもこの状況が解決したら、スーパーの人に謝らないといけない。
もしも解決したら、ではあるけど……。


「うわー……」


オカルト研の部室に入ってすぐ、梓が何とも言えない微妙な声を上げた。
多分、梓がオカルト研の部室に入るのは久し振りなんだろうし、私だって久し振りだった。
だから、梓が微妙な声を上げる気持ちも分かる。
久し振りのオカルト研は、私の記憶の中にあるオカルト研より遥かにパワーアップしていた。
前のオカルト研は少し怪しくて薄暗い程度の部室だったはずだ。
でも、今のオカルト研は違った。
何と言うか、こう……、単純な言葉じゃ言い表せない感じだ。

まず目に入ったのは等身大のチュパカブラの模型だった。
いや、チュパカブラの正確な体長を知ってるわけじゃないが、多分等身大だろうと思う。
それくらい大きな一メートルくらいの模型だった。
ロミジュリの時に借りたりっちゃんのお墓(平沢唯・談)と言い、うちのオカルト研は本格的だよな。
模型も墓も相当高いと思うんだけど、どこからそんな資金が……?
やっぱり部員の誰かが理事長の孫娘なのか?

それと窓や壁のあちこちがアルミホイルで覆われてるのも気になる。
銀色の光がちょっと目に眩しい。
一見異常な光景だけど、私にはそのアルミホイルの理由に心当たりがあった。
前に皆と百物語をしようと思って読んでおいたオカルト雑誌に書いてあった。
よく分からないんだけど、アルミホイルは人間を操る電波を遮断するんだそうだ。
人間を操る電波ってのが何なのかって事には触れないでくれ。

オカルト研の中で、そういう電波関係のオカルトがブームだった時期があったんだろうな。
でも、窓や壁がアルミホイルで完全に覆われてないのを見る限りじゃ、
結構すぐにその電波関係のオカルトのブームが過ぎちゃったんだろう。
オカルトにも流行り廃りはあるんだよな。
だからこそ、中途半端にアルミホイルが残ってるに違いない。

他にも色々何とも言いにくい物があったけど、それは置いておこう。
とにかく、オカルト研も順調に活動してるみたいで何よりだ。
軽音部も負けないように頑張らないとな。


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